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般若 vs 漢 a.k.a. GAMI/ BATTLE SUMMIT 2の書き起こしと解説

※この記事はプロモーションを含みます。

2024年8月14日に行われたBATTLE SUMMIT2での名勝負の一つで伝説級の試合と言えば、般若vs漢のこの試合でしょう。HIPHOP古参も新規の方も、知らない人はいないといってもいいこの2人。

今回はこの大会でもっともと言っていいほど、注目度が高かったこの試合のリリック書き起こしと、簡単な解説をしていきたいと思います。

この試合のリリック書き起こし

こちらの試合は

試合内容

  • 先攻 漢 
  • 後攻 般若
  • ビート:Neva Enuff Zeebra feat.AKTION

ではフリースタイルのリリックです。

リリック

Yo 般若ド派手にかまそうぜ
(聞き取り不可でした) 俺はぶっ飛んでる
いつでも図太い神経
関係ねえよ、そのやる気のある目
なんで脱いだ?いきなりな?
上半身裸で参っちゃうぜ
参っちゃうなら、俺もっと巻くから一服
たまには決めて遊ぼうぜ

とうとう来たよなぁ!この時が
いい顔してるよ、1人1人が
まずお前にありがとうって言いたいな!
その上で外して引き金トリガー
Yo
お前が何本巻いてる間、俺は何回ワンマンのライブをやった?
お前が何本も巻いてる間、俺は何百語のリリックを書いた?
言ってみろよ!

確かにお前はそうだよ
毎年アルバム書いてどんどんだし、そのあくせくやってる
俺はもっとサグライフやってた確かに
札束だけじゃねえ
もっとあるぜ
どでかい夢はこうして叶えてる
まだまだやる気があんなら
おい!
1回ぐらい目合わせろよ、この野郎!

ずっと見てるぜお前の目!
いるのはDOとお前だけ
78年式が
俺たちレッドアイとNovel Core以上の試合したいんだ
上がってるこの会場
俺らがヒップホップ古い代表!
ジブラの時よりいい試合
お前としたいよこの泥試合

何お前おっさんのジブラとか
ガキンチョのあんなガキども比べてんだよ
78年間違いねえじゃん
ばっちりやってるよバチバチだ
おい!とうとう来たなこの時が
ふざけんじゃない引いてるトリガー
とっくに巻いてるよ、でもな大丈夫だ俺たち2人はえげつねぇ
今日ももちろんスモーキングエブリィデイ

そんなもんだなMC漢!
お前にいるのかよファン?え?
123、いつもスモーキン、とか新宿とか言うのアンダーグラウンド
飽きたよそのやり口
俺裸で勝負してるし
この足は立ち上がるよりも勝ち上がる
てめぇで立ってるその価値がある

自分なりの解説

まずは漢の立ち上がりのリリック

Yo 般若ド派手にかまそうぜ

これはビートで使われたZeebraのNeva Enuff featuring AKTIONの最初のリリックである

ド派手にかまそうぜ

にかかっています。元々のビートに使われているラインを使ってくるのは基本手法の一つですよね。この後の上半身裸の状態のことを言っていますが、般若がこのボクサースタイルで壇上に立つことは珍しいことでもないとは思いますが、先攻は中々難しいので見た目から突っ込んでいく方法でいったのでしょう。

般若は最初この試合を楽しみにしていたであろう感情と、漢に対する感謝を述べてから

その上で外して引き金トリガー

というラインから口撃に入ります。外してというは拳銃の安全装置のことでしょうか。そして次のラインでこの試合はほぼ決まっていたのでしょう。

お前が何本巻いてる間、俺は何回ワンマンのライブをやった?
お前が何本も巻いてる間、俺は何百語のリリックを書いた?

最初のバースで「もっと巻くから一服」という完全にアウトローな感じなリリックが得意な漢に、それをもじった皮肉で返します。もちろん巻くというのは紙タバコではなくアレです。完全に上手い皮肉を込めて実績もこめた返しですので、これを返すのは般若ほどの実力・経験を持っているラッパー相手にかなり難しいでしょう。

また完全に漢も般若を認めているため、このバトルでも認めてしまっています。ただ夢も叶えて稼いでサグライフやっているんだと返してはいますが若干返しとしては弱いです。サグライフ(THUG LIFE)の意味はHIPHOP的にはいくつかありますが、この場合は生涯チンピラという意味かなと思ってしまいます。ただ最後のラインで巻き返しを図ります。

おい!1回ぐらい目合わせろよ、この野郎!

これに対し般若は、目を見てる!と返します。般若と漢は同い年で、他にもMACCHOやTOKONA-Xなど78年組などがいます。若い世代のバトルより、この試合いいバトルにしようぜと漢に返します。

漢も78年組は間違いないと返し、上の世代のZeebraや今の若いもんにも負けないという気持ちだと思います。そして般若の最初のバースであるトリガーを使い、こっちもバチバチにトリガー弾いているぜ!と返します。でなぜかまた巻いているアレでサグライフをしているとの感じも戻してきてしまいます。

それについて一言で言えば、ダサいと返す般若。妄想族時代「〇〇合掌」という曲で、唯一1人アレ反対派だった般若のブレていないリリックが響きます。最後のドーピング?などもせずに体一本で勝負し勝つ、という意味のラインがかっこよすぎて、これでこのバトルはカッコいい終わり方をします。

その後のDOとのあとがきリリック

バトル後、般若が勝利し去った後、漢がフリースタイルを始めます。なんだかんだ般若と漢の、昔からグループやHIPHOPを牽引していた彼らがお互い認め合っているのがわかりますね。

漢とDOの感想戦リリック

仕上がりすぎたぜあいつは
俺なんか一発で瞬殺だ
でも大丈夫だ、やらなきゃ
今日はマジほんとに嫌になるぜ
バトルよりも俺好きなのフリースタイル
やばすぎてみんなきっと振り返る
はったぜこんな上半身
出てきたこいつがでるかな

おい社長ふざけんなって話
ここも全部まとめてふざけんなって話
なんとかのチームもふざけんなって話
俺たちが鎖東京だバカ野郎
ふざけんなって話

こうして慰め合う
いやでもね般若とは22年ぶりとはいえ、1勝1敗なんで
あいつの顔見てたらね、うん
もう1回ぶっ飛ばしたくなってきた
ちょっと集中なんて必要ねぇけど
十々承知でもう1回やらしてもらいたいね、般若と、うん
その代わり今日は優勝してもらわないとホント承知しねぇぞ

まとめ

もう何十年もHIPHOP界を先頭で引っ張ってきた彼らのバトルは、一言一言すべてが金言で重みが違いますよね。高校の時からHIPHOPグループを組み、色々ありながら先頭を突っ走ってきた般若はやはり王者感がすごいです。フリースタイルバトルでのラストボスも伊達ではありません。

漢ももちろん絶対に目を合わせたくないほどのオーラをもっており、HIPHOP界重鎮の1人です。昔からHIPHOPを聞いていて見なくなった人や聞かなくなった人もたくさんいますが、今も誰もが知っているラッパーである彼らにはまだまだ頑張ってほしいです。

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